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キャプテン翼二次創作ファンサイト CAPTAIN TSUBASA FANFIC WEBSITE
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 ある時、働き者で正直なゴールキーパーが洗濯物を泉に落としてしまった。
 すると水面が見る間に波立ち、驚いたことに中から黄金の右腕を持つマリア観音が現われた。
 あなたが落としたのはどちらですか、と。
 その手にあったのは――。
 正ゴールキーパーの1番をつけたユニフォームと控えゴールキーパーの21番をつけたユニフォーム。
 呆然としていた正直者のゴールキーパーは、それを見て口ごもり、そして意を決して言った。
 21番のほうです、と。
 マリア観音はにっこりと微笑んだ。
「あなたは正直ですね。ご褒美にこれをあげましょう」
 ご褒美として手渡されたのは――。
 エースナンバーの10番!!
 彼に襲いかかるのは、対抗心むき出しで肩を並べようとする相手国の10番、つけ狙ってくる同じチームのエースストライカー、もともとそれをつけていた選手の力いっぱい応援するさま。
 そんな試合だったとか。
 めでたしめでたし。


                 ●



 ある時、働き者で正直なゴールキーパーが、通り道にいつも手を合わせているお堂の夢を見た。
 中から黄金の右腕を持つマリア観音が現われ、おごそかにこう言ったのだ。
「あなたは働き者で信心深いですね。ご褒美にこれをあげましょう」
 目を覚ますと枕元には一つの古ぼけたキャップがあった。
 なんだろうとかぶってみると、あら不思議。
 そこらに転がっているサッカーボールの声が聞こえるではないか。
「ニンゲンは愚かだねえ。こんな晴天続きの日はピッチも乾いて硬くなるから、バウンドがよくなりすぎるのに」
「そうよねえ」
 そんな会話におろおろしつつ練習中のゴール前に立つと。
「そっちにスピンかけたら逆に曲がっちまう!」
「シュート回転がかかってるから!」
「右だ!」
「足元だ!」
「浮き球だ!」
 ボール自身の言葉に従って体を動かせば、正面でドンピシャのネストキャッチ。
「すげえなあ」
「よく止めたな、あの暴れ球」
 仲間が口々に賞賛する。
 そんなに珍しがらないでほしい。
 だが。
 実戦となるとそうは簡単ではなかった。
「痛いー!」
 それはもう悲鳴だった。
「きゃー!」
「キ、キズが…!」
「パンクはやめてー!」
「もう無理!」
「痛いんだって!」
「目が回る!」
「えっち!」
 彼は立ち尽くすしかなかった。涙目で。
 どうか手厚い供養を。
 めでたしめでたし?





去年出たゲームRISE OF NEW CHAMPIONSで分岐ミッションとして森崎を鍛えるジノというシナリオチャレンジがあったんです。ズタボロに点を取られた経験を「ドイツへの恩返しだ」と叫んでついにファイアーショットを止める、という話。尊い。
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